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慈善の看板を掲げる人々にもの申すのはためらいを感じますが、敢えて火中の栗を拾います。最近のわが国での「チャリティーコンサートばやり」のことです。 「エイズ被害者救済」「地雷廃絶」「環境保護」と、次々にマスメディアに出る告知と出演者の華やかな顔ぶれを見るにつけ、筆者は居心地の悪さを感じずにはいられません。そのテーマが決まって「誰も異論を唱えない」、つまり社会が「賛成」で合意済みのものばかりだからです。 チャリティーコンサートの走りと言われるのは元ビートルズのジョージ・ハリソンが音頭を取った「コンサート・フォー・バングラデシュ」(71年8月)です。これは同国独立紛争の難民飢餓問題を世界に知らしめる功績がありました。ロックスターたちの抜群の知名度に、マスメディアの注目が一気に集まったからです。この伝統は今も生きていて、米国の「フリー・チベット・コンサート」(今年で5回目)は、中国のチベット政策問題を世界に認知させ、米国の外交にまで影響が及びました。報道より先に、音楽が社会に問題を提起したのです。こういうところに、筆者はかの国々の音楽表現者が持つ「力強い良心」を感じます。
(AERA 2001年09月10日) |
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