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■CD売れ行きの激減 真犯人コピー説の虚構

 



 これは「Jポップバブルの崩壊」と呼ぶべきでしょう。日本のレコード業界はいま深刻な売れ行き減に襲われています。

 日本レコード協会の統計によりますと、昨年のレコード生産額は約5030億円でした。これは最盛期(98年)の6075億円から1000億円以上のダウン、何と2割弱が吹き飛んだ計算になります。今年に入っても、8月まで連続で昨年比8割程度とヨレヨレの低空飛行状態。91年には年510人もの新人をデビューさせていたのが、一昨年は155人にまで削減し「歌手のリストラ」まで始める有り様です。


 もちろんレコード業界は犯人捜しに躍起です。やれ「パソコンでCDがコピーできるようになったから」とか「インターネットで音楽が配信できるようになったから」とか盛んに喧伝しておられます。


 じゃあ本当にそれが「真犯人」なのかというと、どうも怪しい。というのは、97年を境にレコードの「実質値上げ」が続いていることが統計上明らかになっているからです。


 日本盤の価格は生産者(レコード会社)が決め、小売店は値引きできません。これを「再販制度」と言います。自由市場の競争原理に反しているのですが「文化保護」とやらで、こうした価格カルテルが例外的に認められています。レコードの価格は固定され、インフレ時代は消費者物価指数の上昇分、毎年3〜4%の「実質値下げ状態」が97年までずっと続いていました。


 ところがデフレ時代に突入して事態は逆転します。総務庁によりますと、一昨年CDは約3%の「実質値上げ」でした。つまり他の商品が値下がりした分、CDは割高感を持たれるようになってしまったのです。


 欧米から輸入されたCDが国内盤よりまだ安いという珍現象は、皆さんよくご承知でしょう。ようやくこの高すぎる価格設定の危険性に気づいたのか、ソニーミュージックが最近、邦楽CDを発売後2カ月だけ2520円で販売する方針を打ち出しました。


 長引く売れ行き不振に、追いつめられたということでしょう。もっと安く、輸入盤並みに値下げしてほしい。一音楽愛好家として切に願います。

(AERA 2002年11月25日)





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