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■広告のタレント依存は音楽にもマイナス

 




 
 皆さん「聞茶」ってわかります? かの井上陽水氏がテレビCMに出演して話題になった中国陶器風のボトル茶のアレ、って言った方が早いですね。


 なんでも「無糖茶」ってのは年売り上げ7150億円の成長市場だそうで、ウーロンだ緑茶だ中国緑茶だと各社入り乱れての熾烈なバトル、あまつさえ今春、約10種類が新たに発売予定とか。誠に困ります。小生など、ささやかな昼餉にコンビニ弁当を購入、喫茶せむと自販機の前に立つたびに錯乱・昏倒するんですから。


 その「聞茶」の記事が昨年「日経トレンディ」に出ていたんですが、小生、一読し唖然としました。「清涼飲料水としてのお茶は本物とは違う『まがい物』であり、本物そっくりのまがい物を作ります」というキリンビバレッジさんの発言趣旨が堂々と出ていたのです。おまけに記事の結論はこうでした。


 「『まがい物』であるからこそ付加価値が必要。井上陽水も付加価値の一つ」


 ホントに身もフタもない話です。要は、
 「まがい物を本物らしく見せるのに井上陽水を利用した」
 ってことじゃないですか。70年代「テレビに出ない」と宣言した陽水氏に若き小生はいたく感動、今も深く敬愛しているのに、嗚呼それなのに、なぜこのような醜態に!


 コピーライターの中山佐知子氏は「あるCM制作費1億円のうち6千万円がタレントの年間契約料だった」と戒めを込めて朝日新聞に寄稿されました。そう「昨今の過度のタレント依存は広告人の創造力を奪う」と良心的な関係者は一様に嘆いているのです。


 90年代、TV広告「タイアップ(曲の提供や音楽家の出演)」でJポップも広告業界も共存共栄、さんざんウマイ汁を吸いましたが、音楽業界には「知名度さえ上げれば内容に関係なく売れる」という疫病が蔓延しました。


 しかし、もうどん詰まりは見えている。昨年のレコードの年間生産総額はタイアップ全盛期の98年から863億円ダウンの約5031億円(日本レコード協会)。一方、電通総研の最新リポートは「インターネットなど情報感度の高い層はテレビ視聴時間を優先的に削る」と記しています。これって要は「TVタイアップ依存型Jポップのバブル崩壊」ってことじゃないんですかね。消費者もウンザリしてることだし、もういい加減テレビCMとのベタベタした共依存関係はヤメにしませんか、ギョーカイの皆さん。

(AERA 2002年04月15日)





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