![]() 実はもうすぐ還暦、60歳。アップで見るとさすがに顔に年齢が出ます |
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ダスティン・ホフマン アメリカ映画を変えた身長163センチの小男。小さな子供たちに囲まれ、幸福そのものという感じだった |
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「おいで!みんなで写真を撮ってもらおうね」 撮影中も、休む間もなく周囲を楽しませる。シュワルツェネッガ−やスモウ取りのまねをしたかと思うと、ズボンのチャックを開けて指を出してみせたり。最後は、11歳から4歳まで四人の子供を呼び、カメラに収まった。 163センチの身長があと5センチ高かったら、映画の歴史は変わっていたかもしれない。 ニューヨークで売れない舞台俳優をしていたホフマンが、ハリウッドでデビューしたのは映画「卒業」。主人公ベンが、恋人エレーンを教会での結婚式から略奪するラストンーンが有名な青春映画である。 が、ホフマンを紹介されたとき、エレーン役の美人女優キャサリン・ロスは、ひどく腹を立てた。 「こんな身長1メートルの男が主役じゃ、この映画はもうダメね」 しかし、映画が公開されるや、ホフマン演じるベンは新しい世代のヒーローになった。 ジョン・ウェインやゲーリー・クーパー。非現実的なスターにうんざりしていた若者は、この臆病そうで、鼻のでかい小男が、恋人を取り戻そうとけなげに奮闘する姿に、大きな拍手を送った。それは「絵空事」でしかなかったハリウリド映画が、観客と等身大の人間を描く表現文化へと生まれ変わった瞬間だった。 今でも、ホフマンは「スター」と呼ばれるのが嫌いだ。勉強でもスポーツでも、目立たない青春時代を送ったからだろう。 「無視されるより、笑われる方がずっとまし。そんなふうに思ってた」 授業中、答えをわざと間違える。パーティ−では、クラスで一番人気のない女の子とダンスを踊る。嘲笑を浴びることで孤独を癒すような少年だった。 高校卒業後、ジャズ・ピアニストへの夢を捨て、演劇に転向した。これも、一人ぼっちのピアノの練習より、仲間と一緒の演劇の方が楽しかったからだ、という。 「『ねえ、ぼくを見て!』俳優になったのは、この一言だよ」 みじめな自分から変身できるほど良い。だから、自身からかけ離れている役ほど、情熱を燃やす。 楽しかった映画として、女装で売り出す男優役の「トッツィー」と、自閉症の男性を演じた「レインマン」を挙げる。ヒットしなかったのであまり知られていないが、獣のような銀行強盗を演じた「ストレートタイム」という映画も気に入っている。 「家族」をテーマにした役柄が多い。「卒業」から始まり、「ファミリー・ビジネス」「レインマン」。 孤独を癒してくれる家族という存在が、彼にとっで大きな関心事だった。幼いころから、家庭生活は平坦ではなかったらしい。映画監督をめざしで挫折し、やむなく家具のセールスマンになった父親は「子供がいるのが不自然だと考える人」だったという。 自身も、雛婚を一度経験しでいる。「クレイマー、クレイマ−」の撮影中だった。離婚しで育児に苦闘したのち、人間的に目覚める企業戦士を描いた映画である。 撮影が始まると、役作りに熱中するあまり、家に帰ってもイライラして手がつけられなくなるタイプだ。それに家族が耐えられなてなった。映画のテッド・クレイマ−と、まったく同じ状況にはまり込んでしまったのだ。 だから、現在の妻や子供に寄せる思いは並ではない。 「家族とは夢そのもの。子供たちは、こんなにもぼくを慕ってくれる。幸せな家庭を持てるなんで思わなかった」 最新作は「フック」の海賊キャプテン・フック役。演技派の彼にしては珍しいファンタジー映画だ。 珍しい役ですね? 「たまには、ウチの子供たちと一緒に観ることができる映画に出たくなったんだ」 1937年8月8日米国ロサンゼルス生まれ。祖父はルーマニアからのユグヤ系移民。両親が映画マニアで、サイレント映画のスター、ダスティン・ファーナムにちなんで名づけた 67年「卒業」 69年「真夜中のカウボーイ」 70年「小さな巨人」 71年「わらの犬」 73年「パピ∃ン」 76年「大統領の陰謀」「マラソンマン」 78年「ストレートタイム」 79年「クレイマー、クレイマー」 83年「トソツィ一」 87年「イシュタール」 88年「レインマン」 89年「ファミリービシネス」 90年「ディック・トレイシー」 92年「フック」「ビリーバスゲイト」 「クレイマー」「レインマン」」でアカデミー賞を受賞。 (AERA 92.7.21/東京にて) |
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