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【オリコン訴訟の何が問題なの?〜もっと詳しく】

1)記事を掲載した「サイゾー」および発行会社「インフォバーン」を訴訟対象にしないことで、烏賀陽を孤立させ、経済的に抹殺しようとしていること。

 オリコンの請求金額は5000万円。この訴訟を受けるために必要な烏賀陽の弁護士費用はいくらか。

 旧日弁連の報酬規定に従うと、烏賀陽に必要な弁護士費用は着手金だけで219万円、運良く勝訴したとしても請求金額の10%=500万円、つまり719万円という驚くべき高額になる(注:現在は弁護士報酬は自由化されている)。

 これは烏賀陽個人が負担するにはあまりに過重であり、経済的に破綻させるに十分である。つまりオリコンは裁判に勝っても負けても、烏賀陽を社会的に抹殺し、沈黙させるという目的は達成できる。

 また、この5000万円という請求金額には何の合理的根拠も示されていない。オリコン適当に決めた金額で、訴訟を起こすだけで(訴状一枚を裁判所に提出するだけでよい)、烏賀陽を経済的に抹殺できる。法律の抜け穴を利用した悪質かつ暴力的な訴訟である。

 この手法を応用すれば、新聞社やテレビ局の社員ジャーナリストを組織から孤立させ、個人として訴えることが可能である。つまりフリー記者だけでなく新聞社やテレビ局の社員記者を企業批判から萎縮させることができる。

 これは9.11テロと同じほどのインパクトを日本の言論界にもたらしたと言っていいだろう。例えフリーでなくても、企業記者であっても、組織から切り離して個人として訴えればいいのである。これが記者に与える萎縮効果は計り知れない。

 また、インフォバーンからの人的バックアップから切り離されることで、烏賀陽が仕事においても家計においても疲弊し、生活に支障をきたしていることは言うまでもない。

 

2)オリコンは言論妨害のために高額の恫喝訴訟を起こしたことを自分で認めている。

 同社は06年12月25日付の小池恒社長名義のニュースリリースで「我々の真意は損害賠償ではない」「(烏賀陽が)事実誤認に基づく誹謗中傷があったことを認め、その部分について謝罪するなら、提訴をすぐに取り下げる」と述べている。また同社IR担当者は、06年12月19日付ニュースウエブサイト「J−CAST NEWS」記事中で「賠償金が欲しいというのではなく、 多額の賠償金を課すことで抑制力を発揮させたい」と述べている。

 これはつまり「烏賀陽をまず高額訴訟で血祭りにあげることによって、他の同社への批判的な言説もすべて封じる」=言論妨害が訴訟の目的であることを自認しているにほかならない。つまりほかのジャーナリストなど言論人への「萎縮効果」が欲しい、と自分で言っているのだ。このような訴訟は悪質な「報道・言論の自由」への挑戦状であるばかりでなく、民事訴訟法が禁じる「濫訴」(訴訟権の濫用)に当たる。

3)オリコンは出版社のくせに「言論」という土俵で戦うこと=論戦から逃げた。そして司法という公権力の行使を要請した

 もし仮に万一、当該コメントが事実誤認だとしても、まずサイゾー編集部に訂正または削除を申し入れるのが言論界のイロハである。また「サイゾー」の誌面を使って当該コメントへの反論を掲載するよう申し入れることもできたはずなのに、一切していない。

 同社は「オリジナル・コンフィデンス」はじめ多数の出版物を出す出版社でもある。だから、もし万一当該コメントが「事実誤認だ」というのなら、そこの紙面上で思う存分「このコメントは事実誤認である。なぜなら理由は××」と反論を述べればいい。烏賀陽およびサイゾー編集部もまたどこかの媒体で反論する。これこそが本来の「言論界のルール」である。意見が違うものは高額の恫喝訴訟で黙らせる、というのは民事訴訟の体裁だけ装った暴力行為である。

 

4)烏賀陽は「サイゾー」の電話取材に答えただけであり、一行も執筆していない。つまり「被取材者」である。

 烏賀陽は訴訟の争点となっている記事やコメントの「筆者」ではない。(朝日新聞の記事見出しがまったくの誤解)

 当該コメントは、サイゾー編集部・副編集長K氏が電話で烏賀陽に取材し、K氏が記事を執筆したものである。烏賀陽はただの一行も書いていない。オリコン側が提出した「証拠」にも明記されているように、文責はサイゾー編集部にある。烏賀陽は「サイゾーの取材に応じた人間」にすぎない。

 オリコンはその「取材に応じただけの人間」に5000万円という高額訴訟を起こした。

 取材に応じてコメントが掲載されただけで5000万円の訴訟を起こされるリスクがあるなら、取材に応じる人間は萎縮し、取材に答えること自体を忌避するようになるのが自然である。これは取材という報道活動の根幹を破壊する、フリー記者、社員記者を問わない報道活動全体への挑戦状である。

(070217)

 

 

 


 

 

 

 
 




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