logo_s.gif (1064bytes)



■報道各社の取材態度とその結果の一覧■

たまに「取材する側」から「取材される側」に回ると、いろいろ気が付くことがあります。ぼくが朝日新聞社の現役の記者だったころとはずいぶん変わったなと思うこともあります。その一覧表です。

《解説》06年12月25日、オリコンは報道各社に一斉にプレスリリースを送付しました。これは前日24日夜に烏賀陽がオリコンの5000万円提訴に対して応訴(訴訟に応じて裁判にすること)の意思を相手側弁護士と東京地裁に伝え、主張を争うことを伝えたからです。

オリコンのリリースの内容は「烏賀陽が事実誤認に基づいて一方的な中傷を続け、信用を損なった」という一方的な主張を展開したもので、それはオリコンのリリースとしてはまあ自然でしょう。オリコンはリリースだけで、訴訟対象になった記事、訴状などは送っていないようです。

ところが、報道各社はほとんど烏賀陽に取材さえせず、よしんばコメントを載せても、著しくオリコン側に偏っています。これは組織的広報力を持っている企業が個人を訴えた場合、世論形成(メディア操作)においても力の差が出るという好例ですので、記録のため烏賀陽の知る範囲で実例を挙げます。

 なお、民事訴訟の提訴段階での報道においては原告・被告両側の言い分を聞き、両方をバランスをとって掲載するというのは報道の鉄則、イロハ中のイロハです。民事提訴など、弁護士でなくても紙切れ一枚地裁に提出すれば誰でもできるからです。烏賀陽自身が新米新聞記者で裁判所担当だったころ、この鉄則をたたき込まれました。これさえ守られていないことには驚きました。

→せめて「最低これくらいは公平に書いてほしい」という記事はこちら

●06年12月19日付「IT Media News」(ウエブ)

見出し:「オリコンチャート」記事めぐりジャーナリストに賠償請求 「言論妨害では」と批判も

オリコンの主張 13行: 烏賀陽の主張 7行

→見出しからバランスがとれている。「ジャーナリストやネットユーザーからは『記事を掲載した出版社ではなく、編集部に求められて発言したジャーナリストを訴えるのは言論妨害ではないか』と批判が出ている」とリードに記すなど、この訴訟の問題点をきちんと見抜いて指摘している。「うがやジャーナル」やジャーナリスト津田大介氏の「音楽配信メモ」へリンクを張るなど、扱いが極めて公平。 

●06年12月19日付「ライブドアニュース」(ウエブ)

見出し:オリコン、ライター烏賀陽弘道氏への提訴についてコメントを発表

オリコンの主張 17行: 烏賀陽の主張 ゼロ

→烏賀陽への取材はまったくなし。オリコン側の主張しか載っていない。「意見が対立している場合は、双方の言い分を聞く」という取材の基本を怠った悪例。

●06年12月25日「毎日新聞」25日付夕刊・第2社会面4段見出し 石田宗久記者の署名入り

見出し:名誉棄損:オリコン ジャーナリストに5000万円賠償提訴

オリコンの主張 13行:烏賀陽の主張 7行

→西部経済部の記者の出稿。そのニュース感度の高さに驚いた。事前に訴状、起訴対象になった記事、その前触れになったアエラの記事。オリコンからの内容証明郵便などを読みたいむね申し入れがあったので、ファックスした。

「雑誌の発行元を提訴せず、コメントをしたジャーナリストだけに高額の賠償を求めるのは異例」などフェアな解説のセンテンスが入っている。

●06年12月25日 YAHOO!ニュース (時事通信社電 同日18時1分配信)

見出し:オリコンがジャーナリスト提訴ー雑誌で中傷、5000万円請求ー東京地裁

オリコンの主張 16行:烏賀陽の主張 ゼロ

→烏賀陽への取材は全くなし。午前2時半ごろ、友人からのメールでこの記事を知った烏賀陽は、ただちに時事通信社会部に「民事提訴の記事で被告の言い分をまったく取材しないのは両論併記の鉄則に反している」と抗議の電話。対応した泊まりOデスクは「朝刊の締め切りを過ぎているので訂正できない」というので、烏賀陽はこの記事の削除または訂正、お詫びとともに(烏賀陽が雑誌でオリコンを中傷した、と断定した見出しがついていたので)と烏賀陽の主張の掲載を申し入れるが、拒絶される。

Oデスクは代わりに朝(夕刊入稿段階)で烏賀陽の主張を掲載することを提案。電話コメントを求めるが、烏賀陽は下の共同通信と同じ理由で電話コメントを断る。代わりに「泊まりの記者を寄こしてください。すべて資料も渡して何でもお答えします」と申し入れる(烏賀陽の自宅は時事通信の本社から車で10分)。午前4時、なんとOデスク本人が取材に来訪。訴状のコピーなど資料一切を渡し、1時間取材にこたえる。午前5時20分終了。午前6時20分、Oデスクより掲載内容確認の電話。

Oデスクの説明によれば、「烏賀陽の連作先がわからかなったので取材しなかった」とのこと。しかし最初の取材時間帯は25日午後3〜5時ごろであり、その時間帯にサイゾー編集部を探して連絡を取るのは至極簡単のはずで、怠業としかいいようがない。

●06年12月26日 YAHOO!ニュース (時事通信社電 同日8時0分配信)

見出し:「批判封じ」と反論=オリコン提訴に対し烏賀陽氏

オリコンの主張 0行:烏賀陽の主張 10行

→上記のOデスクの取材の結果が出稿された模様。おつかれさまでした。しかし第一報に比べ第二報が扱いが小さくなるのは経験上知っているので、烏賀陽には不満が残る。第一報から烏賀陽に取材すべきである。

●06年12月26日付「gooニュース」(共同通信電)

見出し:ジャーナリストに賠償請求 記事めぐりオリコン

オリコンの主張 16行: 烏賀陽の主張 ゼロ

→同25日夜10時半ごろ共同通信・社会部遊軍Nと名乗る記者が「こんなコメントをオリコンが出してますが、烏賀陽さんのコメントをください」と携帯電話に架電してきた。どうも話がかみ合わないので、おかしいと思って聞いてみると、訴訟対象になったサイゾーの記事はおろか訴状さえ読んでいないことが判明。こういう相手に電話コメントしては危険だと経験的に(ぼくもいちおう元新聞記者なので)判断した烏賀陽は、20分後に帰宅して当該記事、アエラ記事、訴状などをファックスしたうえでコメントに答えた。「コメントの内容は後でファックスする」とN記者は発言したが、27日現在そのようなファックスはなし。「gooニュース」のウエブ記事ではまったく烏賀陽の主張は無視されている。準備不足で、取材方法が稚拙。共同通信東京本社社会部の遊軍といえばエース中のエース記者だと思うんだけど。N君、取材についてもっと勉強してください。

●06年12月26日付「日刊スポーツ」 

見出し:オリコン「事実無根のコメント」ジャーナリストに損害賠償請求

オリコンの主張 28行 : 烏賀陽の主張 5行

→ただし烏賀陽への直接取材はまったくなし。なのに「烏賀陽のコメント」まで出ているのはどうしたことだろう?どこかに同姓同名の烏賀陽弘道さんがおられるのですか?

●06年12月26日付「デイリースポーツ」 

見出し:オリコン、ジャーナリストに賠償請求 記事「事実無根」

オリコンの主張 32行 : 烏賀陽の主張 ゼロ

→なんと小池恒社長の顔写真入り!烏賀陽にはまったく取材もせず。もちろん烏賀陽の言い分などまったく書いていない。ひたすらオリコンのプレスリリースをそのまま書き写した幼稚な提灯記事の典型。オリコンへのヨイショのようにすら読める。どうせ提灯記事やるならもっと芸を見せてよ。ぼくがデスクならこんな記事は通さない。ここまで100%偏っていると笑えてくる。あ、ぼくの実名が入っていないのが唯一の免罪符のつもりなのかな。

●06年12月26日付「ZAKZAK」(サンケイ系)

見出し:「オリコン」言論妨害? ジャーナリスト「批判封じ」

オリコンの主張 7行: 烏賀陽の主張 2行

→烏賀陽の主張は少ないが、見出しでバランスが取れている印象を持った。

ところで、サンケイ新聞の記者さんから取材の申し込みがあったのでお会いして訴状など資料一式を渡して質問にも答えたのですが、サンケイ本紙では紙面化されたのかしら?ご存知の方は教えてください。

そのほか烏賀陽の知らないところで取材もせずに記事にしたメディアがあると思われます。お気付きの方は、ugayaアットマークugaya.comまでご一報ください。

 

 

 

 

 
 




home.gif (613bytes)


u_han.gif (685bytes)
Copyright(C) 1997 Hiromichi UGAYA.